#4木はいつも希望を残し秘密を持って立去る

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繭「ってあれ?私の席どこだ?」

雫「何言ってるんだ。空いてる席があるはずだろ。お前以外は席変わってないんだから。」

Sでは基本的にテストの成績で席順が決定する。今年度の最初のテストは明日から始まるため、今年から特Sになった繭以外は変わらず去年と同じ席に座っていた。

繭の席は成績が1番最後のやつの後ろと勝手に思っていたが、、、おかしいぞ。

空席がない。

本当に繭の席がない。

荻「あれ〜どういうことだ?」

紬「どういうことだ?じゃないぞ荻原。お前の席が間違ってるぞ。」

雫「え?‥‥紬姉。それどいうこと?」

紬「言葉通りだ。今年から藍川が特Sになったということは、もちろん誰かが通常クラスに落ちたということだ。そして、それは荻原、お前だ。連絡はしてあるはずだが?」

荻「あっはは~。分かってますよ。でも通常クラスに行く前に、何となくこの光景を見たかったんですよ。さて、なら自分のクラスに行きますかね~」

雫「おい!将人!どういうことだよ!お前の成績で特S落ちはありえないだろ!紬姉!何かの間違いだろ?」

紬「雫・・・信じ難いのもわかるが、事実だ。私も聞いた時には驚いたさ。何せ、荻原は雫と奏に次ぐ成績だったもんな。しかし2年終了時、いわゆる進級試験の結果は、特S最下位。そしてその成績を藍川が上回ったため、特S落ちが決定したんだ。」

雫「そんな・・・・・・・」

響「将人・・・調子悪かったのか?」

荻「ん〜どうだろうね〜 でもとりあえず落ちたのは事実。僕はAクラスに行くよ。っとその前に‥‥‥」

将人が現実を受け止めきれていない雫の横に来て、耳元で囁いた。 

 荻「これで答えに近づくよね。安心して雫。外は任せてくれよ。だから雫も‥‥‥諦めるなよ。」

雫「将人‥‥まさかそのために。でも俺はすでに結論を出しただろう。」

荻「仮説を、ね。結果はまだ出てないし、その仮説は雫が望まない結果でしょ。だから僕は諦めないよ。澪さんは生きてる。それじゃまたね!」

紬「‥‥‥‥‥」

紬姉には聞こえていただろうな。

諦めるな‥‥‥か。 

将人の言葉が頭でこだまし続け、その日の紬姉の授業の説明はほとんど頭に入ってこなかった。

そして浮かない気持ちのまま、一人で帰路についた。

#5に続く